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社会保険労務士

社労士試験 合格基準について

令和元年(第51回)社労士試験の総括と合格予想基準を公開しました。

社会保険労務士 合格予想基準

平成30年(第50回)社労士試験の結果と総括

平成30年(第50回)社会保険労務士試験はさる8月26日(日)、全国主要19都道府県の29会場で行われましたが、その結果が、11月9日(金)に官報及び全国社会保険労務士会連合会の社労士試験センターホームページ上で発表されました。 その実施概況は、以下のとおりです。
実施概況
項目 平成30年結果 対前年比 平成29年
受験申込者数 49,582人 -320人 49,902人
受験者数 38,427人 -258人 38,685人
受験率 77.5% +0ポイント 77.5%
合格者数 2,413人 -200人 2,613人
合格率 6.3% -0.5ポイント 6.8%
合格基準点
(1)合格基準
本年度の合格基準は、次の2つの条件を満たしたものを合格とする。
@ 選択式試験は、総得点23点以上かつ各科目3点以上(ただし、「社会保険に関する一般常識」及び「国民年金法」は2点以上)である者
A 択一式試験は、総得点45点以上かつ各科目4点以上である者
※上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから、昨年度試験の合格基準を補正したものである。
(2)配点
@ 選択式試験は、各問1点とし、1科目5点満点、合計40点満点とする。
A 択一式試験は、各問1点とし、1科目10点満点、合計70点満点とする。
総評
(1)平成30年試験の合格率は、「6.3%」。前年の「6.8%」から0.5ポイント低下。
社会保険労務士試験の合格率は、平成20年(第40回)から平成26年(第46回)の試験まで、1桁台の後半(5.4%〜9.3%)で推移していましたが、平成27年(第47回)に試験史上最低で、初めて5%を切る「2.6%」を記録しました。翌年の平成28年(第48回)も平成27年に次ぐ史上2番目に低い「4.4%」にとどまったことから、社労士試験は、5%を下回る「低合格率時代」に入ったものとみられていました。 しかし、昨年(平成29年・第49回)の試験では、「6.8%」と3年ぶりに「5%」を大きく超え、平成27年及び平成28年の低合格率については、「一過性」であったとの可能性も考えられたことから、今回の試験では、合格率の結果(5%を下回るのか、上回るのか)が、今後の合格率の推移を占うための指標になるものと注目されました。
発表された今回(平成30年・第50回)の社労士試験の合格率は、「6.3%」と、昨年を0.5ポイント下回ったものの、2年続けて6%台を記録したことから、平成27年及び平成28年のような極端な「低合格率時代」が再来する可能性は低くなったものと考えられます(来年度以降、当面は、合格率は、「5〜8%」前後で推移していく可能性が高いものと予想されます。)。
ただし、社労士試験の合格率の推移をみると、「平成7年〜平成13年」の試験の合格率が、7年続けて7〜8%台であったように、かつては、合格率の変化はほとんど見られませんでしたが、直近の10年間をみると、「10.6%→7.5%(平成19年→平成20年)」、「5.4%→9.3%(平成25年→平成26年)」、「9.3%→2.6%(平成26年→平成27年)」のように、合格率の「乱高下」が激しく、「何が起こるかわからない」というのが最近の社労士試験の傾向です。このため、来年度以降の試験における「合格率」については、良い意味でも、悪い意味でも前述の予想を覆す、「サプライズ」が起こる可能性は十分に考えられるところです。
今回の試験における合格者数は、「2,413人」で、昨年の「2、613人」と比べ「200人」減少しています。受験者数(38,427人)は、前年(38,685人)とあまり変わっていませんので、合格者数の減少は、今回の合格率(6.3%)が昨年(6.8%)と比較して0.3ポイント低下したことが要因になっています。
なお、合格者数の推移をみると、平成26年以前の10年間の平均の合格者数の約4,000人と比較すると、今回の合格者数は1,500人以上減少しています。これは、社労士の受験者数がピーク時(平成22年・55,445人)と比較して、今回の試験(38,427人)では約17,000人減少していることが要因となっています。
(2)択一式試験の合格基準点は、前年と同じ「45点」。
平成23年の試験(第43回)以降の択一式の総合得点の合格基準点は、平成28年の「42点」を除き、「45点」又は「46点」で決定されていますが、今回の合格基準点も、「45点」と決定され、平成23年〜平成27年及び平成29年試験における合格基準点に準ずる得点となりました。
択一式の問題レベルは、最近では、「平成27年」及び「平成28年」の試験問題の難度が突出して高かったものですが、この2年間に限ってみると、「合格基準点」の差が両年度の合格率を大きく左右しています。 すなわち、平成27年は合格基準点を高難度の問題のレベルに合わせることなく、前年と同じ得点(45点)で決定したために、「2.6%」という史上最低の合格率を記録し、平成28年は前年度より合格率を引上げるという意図のもとに、「合格基準点」を「42点」にまで引下げたものと考えられます。
 今回の択一式の問題レベルは、平成23年〜平成26年及び平成29年の問題レベルに準じたものであったと考えられ、合格基準点も「45点」と、その当時の平均的な得点で決定されたため、結果として、平成23年〜平成26年及び平成29年の合格率に近い「6.3%」の合格率になったようです。今後の試験においても、今回のレベルの問題から大きく逸脱したレベルの問題が出題されない限り、択一式の総合得点の「合格基準点」は、「45〜46点」前後で決定される確率が高いものと考えられます。
なお、昨年の試験では、「厚生年金保険法」で「3点」の救済措置がとられましたが、今回の試験では、「3点」の救済措置がとられた科目はありません。
(3)選択式試験「2点」の救済措置は「社会保険に関する一般常識」「国民年金法」の2科目。
選択式の合格基準については、原則として、各科目「3点以上」を合格点としています(総合得点についても、合格基準点が設定されています(今回は「23点」)が、科目別の合格基準点をクリアした受験者が総合得点で合格基準点を下回ることはほとんどありません)が、「3点以上」の得点者の割合が低かった科目については、「2点」の得点の科目を合格点として救済しています。
今回の選択式試験のレベルをみると、最近では、4科目で「2点」又は「1点」の救済措置がとられた平成25年及び平成27年よりも「難度」は低く、2科目で「2点」の救済措置がとられた昨年(平成29年)に近いレベルであったようです。
当社では、今回の選択式試験で、高確率で「2点」の可能性がある科目として、「国民年金法」及び「労働の一般常識」の2科目(当社に寄せられた復元解答における「3点以上の得点者」の割合が低い順)と予想し、その他の科目では、確率はそれほど高くはないものの、「労働基準法・労働安全衛生法」、「社会保険の一般常識」及び「厚生年金保険法」の3科目についての救済の可能性を予想しました。 結果として、「2点」の救済が行われたのは、「社会保険の一般常識」及び「国民年金法」の2科目となり、「労働の一般常識」についての救済は行われていません(「労働の一般常識」及び「社会保険の一般常識」の2科目については、当社に寄せられた復元解答の得点状況と、受験者全体の得点状況に差が生じていたようです。)。
選択式試験においては、毎年、「どの科目が2点の救済の対象となるか」に注目が集まりますが、受験者が選択式で「2点」を1科目でもとってしまうと、その科目が救済の対象となるか否かは、「運」でしかありません。その意味では、2019年の選択式対策を行うにあたっても、「2点の救済は行われないこと」を前提とした「3点以上の絶対確保」を目標としたいところです。
(4)第50回社会保険労務士試験の総括
 今回の第50回の試験について、「受験者数」、「合格率」、「択一式の合格基準点」、「選択式の「2点」の救済の対象となった問題数」等を分析してみると、いずれの事項も、昨年の第49回試験に類似しており、良い意味で、「サプライズ」のない試験であったようです。
 その意味では「合格率」、「合格基準」、「問題のレベル」等については、今回の「第50回社会保険労務士試験」は「平均的なもの」であったと考えられます。このため、2019年に社労士試験を目指される方が受験対策を進めるにあたって、想定すべき、前述の「合格率、合格基準、問題のレベル」等については、今回の試験結果が大いに参考になるのではないでしょうか。
平成12年以降の社労士試験の実施状況
※現行の「選択式試験」が採用された平成12年以降の社労士試験の実施状況について掲示しています。
択一式試験 選択式試験 合格率
総合・
合格
基準点
科目別必要最低得点 難易度 総合・
合格
基準点
科目別必要最低得点 難易度
30年 45点 4点 B 23点 3点
 (「社一」・「国年」→2点)
B 6.3%
29年 45点 4点
   (「厚年」→3点)
B 24点 3点
 (「雇用」・「健保」→2点)
B 6.8%
28年 42点 4点
 (「常識」・「厚年」・「国年」
→3点)
A 23点 3点
 (「労常」・「健保」→2点)
A 4.4%
27年 45点 4点 A 21点 3点
 (「労常」・「社常」・「健保」・
 「厚年」→2点)
A 2.6%
26年 45点 4点
(「常識」→3点)
B 26点 3点
(「雇用」・「健保」→2点)
C 9.3%
25年 46点 4点 B 21点 3点
(「社常」→1点
「労災」・「雇用」・「健保」→2点)
A 5.4%
24年 46点 4点 B 26点 3点
(「厚年」→2点)
B 7.0%
23年 46点 4点 B 23点 3点
(「労基・安衛」・「労災」・「社常」・「厚年」・「国年」→2点)
A 7.2%
22年 48点 4点 B
(注)
23点 3点
(「国年」→1点
「健保」・「厚年」・「社常」→2点)
A 8.6%
21年 44点 4点 B 25点 3点
(「労基・安衛」・「労災」・「厚年」→2点)
B 7.6%
20年 48点 4点 C 25点 3点
(「健保」→1点
「厚年」・「国年」→2点)
A 7.5%
19年 44点 4点 B 28点 3点 C 10.6%
18年 41点 4点
(「労基・安衛」・「常識」→3点)
A 22点 3点
(「労基・安衛」・「労災」・「社常」・「厚年」→2点)
A 8.5%
17年 43点 4点 B 28点 3点
(「労基・安衛」→2点)
B 8.9%
16年 42点 4点
(「健保」・「厚年」・「国年」→3点)
A 27点 3点
(「健保」→1点)
B 9.4%
15年 44点 4点
(「労基・安衛」・「厚年」→3点)
B 28点 3点
(「労常」・「社労」・「厚年」・「国年」→2点)
A 9.2%
14年 44点 4点 B 28点 3点
(「労基・安衛」→2点)
B 9.3%
13年 45点 4点
(「常識」→3点)
B 26点 3点
(「労基・安衛」・「厚年」・「国年」→2点)
A 8.7%
12年 49点 4点 C 28点 3点 C 8.6%

(注)
1.「難易度」(A→難度が高い、B→普通、C→難度が低い)は、各年度において受験者から寄せられた復元解答の得点状況による。
2.「択一式」は70点満点(1科目10点満点)、「選択式」は40点満点(1科目5点満点)。
3.平成22年の択一式試験の難易度は「B」であったが、この年は出題ミスが5問あり、受験者に有利な採点が行われたため、問題レベルと比較して、「合格基準点」が高くなった。

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