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社会保険労務士

社労士試験 合格基準について

令和元年(第51回)社労士試験の結果と総括

令和元年(第51回)社会保険労務士試験はさる8月25日(日)、全国主要19都道府県の32会場で行われましたが、その結果が、11月8日(金)に官報及び全国社会保険労務士会連合会の社労士試験センターホームページ上で発表されました。 その実施概況は、以下のとおりです。
実施概況
項目 令和元年結果 対前年比 平成30年
受験申込者数 49,570人 -12人 49,582人
受験者数 38,428人 +1人 38,427人
受験率 77.5% +0ポイント 77.5%
合格者数 2,525人 +112人 2,413人
合格率 6.6% +0.3ポイント 6.3%
合格基準点
(1)合格基準
本年度の合格基準は、次の2つの条件を満たしたものを合格とする。
@ 選択式試験は、総得点26点以上かつ各科目3点以上(ただし、「社会保険に関する一般常識」は2点以上)である者
A 択一式試験は、総得点43点以上かつ各科目4点以上である者
※上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから、昨年度試験の合格基準を補正したものである。
(2)配点
@ 選択式試験は、各問1点とし、1科目5点満点、合計40点満点とする。
A 択一式試験は、各問1点とし、1科目10点満点、合計70点満点とする。
総評
(1)令和元年試験(第51回)の合格率は、3年連続の6%台となる「6.6%」。
社会保険労務士試験の合格率は、平成20年(第40回)から平成26年(第46回)の試験まで、1桁台の後半(5.4%〜9.3%)で推移していましたが、平成27年(第47回)に試験史上最低で、初めて5%を切る「2.6%」を記録しました。 さらに、翌年の平成28年(第48回)も平成27年に次ぐ史上2番目に低い「4.4%」にとどまったことから、社労士試験は、5%を下回る「低合格率時代」に入ったものとみられました。
しかし、平成29年(第49回)の試験では、「6.8%」と3年ぶりに「5%」を大きく超え、続く平成30年(第50回)も「6.3%」と2年連続6%台を記録しました。 このため、平成27年及び平成28年の低合格率については、この2年間のみの「一過性」であったものと考えられ、今回(令和元年)の試験の合格率も、5%を下回る可能性は低く、「5〜8%」前後で決定される可能性が高いものと予想されました。
今回(令和元年・第51回)の社労士試験の合格率は、この予想どおり、「6.6%」と発表され、3年連続となる6%台を記録したことから、前述の平成27年及び平成28年のような極端な「低合格率時代」が再来する可能性は低くなったものと考えられます。
過去の社労士試験の合格率の推移をみると、平成7年〜平成13年の試験の合格率が、7年続けて7〜8%台であったように、合格率の変化がほとんど見られなかった時代から、 その後、平成19年以降は、「10.6%→7.5%(平成19年→平成20年)」、「5.4%→9.3%(平成25年→平成26年)」、「9.3%→2.6%(平成26年→平成27年)」、「2.6%→4.4%(平成27年→平成28年)」のように、 合格率の「乱高下」が激しく、「合格率の予想が困難な時代」が続きました。しかし、今回の試験で、3年続けて6%台の合格率を記録したことから、平成19年〜平成28年にみられた合格率の「乱高下」傾向は終焉し、平成7年〜平成13年の頃のように、合格率は「安定期に入った」との見方もできそうです。
今回の試験における合格者数は、「2,525人」で、昨年の「2,413人」と比べ「112人」増加しています。受験者数(38,428人)は、前年(38,427人)とほぼ同数でしたので、合格者数の増加は、今回の合格率(6.6%)が昨年(6.3%)と比較して0.3ポイント上昇したことが要因になっています。
なお、合格者数の推移をみると、平成26年以前の10年間の平均の合格者数の約4,000人と比較すると、今回の合格者数は1,500人程度減少しています。これは、社労士の受験者数がピーク時(平成22年・55,445人)と比較して、今回の試験(38,428人)では約17,000人減少していることが要因となっています。
(2)択一式試験の合格基準点は、前年を2点下回る「43点」。
平成23年の試験(第43回)以降の択一式の総合得点の合格基準点は、平成28年の「42点」を除き、「45点」又は「46点」で決定されていますが、 今回の合格基準点は、「43点」(前年(平成30年)は、「45点」)と決定され、平成23年以降では、平成28年に次いで、2番目に低い得点となりました。
今回、試験センターから発表された令和元年の全受験者の択一式の平均点は「30.2点」で、前年(平成30年)の「32.1点」を1.9点下回っています。 このため、今回の択一式の合格基準点が前年の基準点から「2点」低い「43点」で決定された理由は、問題の難度が高く、受験者の択一式の平均点が大きく低下したことが要因となっています。
つまり、今回の試験では、択一式の「合格基準点を下げることなく、合格率を低下させる」方法をとらず「合格基準点を下げて、合格率を前年と同水準とする」方法がとられたことになり、このことも、 前述の「合格率は安定期に入った」ことを裏付ける結果となっています。
(3)選択式試験の「2点」の救済措置は「社会保険に関する一般常識」の1科目のみ
選択式の合格基準については、原則として、各科目「3点以上」を合格点としています(総合得点についても、合格基準点が設定されていますが、 科目別の合格基準点をクリアした受験者が総合得点で合格基準点を下回ることはほとんどありません。)が、「3点以上」の得点者の割合が低かった科目については、「2点」の得点の科目を合格点として救済しています。
今回の選択式試験のレベルをみると、総合得点の平均点は、「23.7点」で、前年の「20.5点」を「3.2点」上回っている(試験センター発表)ように、総じて選択式問題の「難度」は低かったようです。 このため、総合得点の合格基準点は前年(「23点」)から「3点」引き上げられて「26点」で決定され、また、例年であれば「2〜3科目」認められている「2点」の救済措置も、今回は、「社会保険に関する一般常識」の1科目にとどまりました。
今回の選択式試験において、当社では、「社会保険に関する一般常識」については、「2点」が救済されることは確実と予想し、その他の科目では、「労働に関する一般常識」についての救済の可能性を3割程度と予想しました(寄せられた復元解答の得点状況による。)。 しかし、前述のように、「2点」の救済措置がとられたのは、「社会保険に関する一般常識」の1科目のみで、「労働に関する一般常識」については、救済措置の対象外となっています。 選択式試験においては、毎年、「どの科目が2点の救済の対象となるか」に注目が集まりますが、受験者が選択式で「2点」を1科目でもとってしまうと、その科目が救済の対象となるか否かは、「運」でしかありません。 その意味では、令和2年の社労士試験の選択式対策を行うにあたっても、「2点の救済は行われないこと」を前提とした「3点以上の絶対確保」を目標としたいところです。
(4)第51回社会保険労務士試験の総括
 今回の第51回の試験について、@「受験者数」、A「合格率」、B「択一式の合格基準点」、C「選択式の「2点」の救済の対象となった問題数」等を分析してみると、 @、Aについては、前年の第50回試験とほぼ同じでしたが、B、Cについては、「択一式」及び「選択式」の「問題のレベル」等の差異により大きく変化しています。 令和2年の第52回社労士試験においても、@、Aについては、今回の試験に準ずるものと予想されますが、B、Cは、「問題のレベル」に左右される要素が大きく、予想することは困難であるようです。 このため、令和2年の社労士試験を目指される方が受験対策を進めるにあたっては、「問題のレベル」や「出題傾向」等を予想した偏った学習ではなく、 「問題のレベルや出題傾向」の変化にもフレキシブルに対応できるような「絶対的な得点力」の養成に努めたいところです。
平成12年以降の社労士試験の実施状況
※現行の「選択式試験」が採用された平成12年以降の社労士試験の実施状況について掲示しています。
択一式試験 選択式試験 合格率
総合・
合格
基準点
科目別必要最低得点 難易度 総合・
合格
基準点
科目別必要最低得点 難易度
元年 43点 4点 A 26点 3点
 (「社一」→2点)
C 6.6%
30年 45点 4点 B 23点 3点
 (「社一」・「国年」→2点)
B 6.3%
29年 45点 4点
   (「厚年」→3点)
B 24点 3点
 (「雇用」・「健保」→2点)
B 6.8%
28年 42点 4点
 (「常識」・「厚年」・「国年」
→3点)
A 23点 3点
 (「労常」・「健保」→2点)
A 4.4%
27年 45点 4点 A 21点 3点
 (「労常」・「社常」・「健保」・
 「厚年」→2点)
A 2.6%
26年 45点 4点
(「常識」→3点)
B 26点 3点
(「雇用」・「健保」→2点)
C 9.3%
25年 46点 4点 B 21点 3点
(「社常」→1点
「労災」・「雇用」・「健保」→2点)
A 5.4%
24年 46点 4点 B 26点 3点
(「厚年」→2点)
B 7.0%
23年 46点 4点 B 23点 3点
(「労基・安衛」・「労災」・「社常」・「厚年」・「国年」→2点)
A 7.2%
22年 48点 4点 B
(注)
23点 3点
(「国年」→1点
「健保」・「厚年」・「社常」→2点)
A 8.6%
21年 44点 4点 B 25点 3点
(「労基・安衛」・「労災」・「厚年」→2点)
B 7.6%
20年 48点 4点 C 25点 3点
(「健保」→1点
「厚年」・「国年」→2点)
A 7.5%
19年 44点 4点 B 28点 3点 C 10.6%
18年 41点 4点
(「労基・安衛」・「常識」→3点)
A 22点 3点
(「労基・安衛」・「労災」・「社常」・「厚年」→2点)
A 8.5%
17年 43点 4点 B 28点 3点
(「労基・安衛」→2点)
B 8.9%
16年 42点 4点
(「健保」・「厚年」・「国年」→3点)
A 27点 3点
(「健保」→1点)
B 9.4%
15年 44点 4点
(「労基・安衛」・「厚年」→3点)
B 28点 3点
(「労常」・「社労」・「厚年」・「国年」→2点)
A 9.2%
14年 44点 4点 B 28点 3点
(「労基・安衛」→2点)
B 9.3%
13年 45点 4点
(「常識」→3点)
B 26点 3点
(「労基・安衛」・「厚年」・「国年」→2点)
A 8.7%
12年 49点 4点 C 28点 3点 C 8.6%

(注)
1.「難易度」(A→難度が高い、B→普通、C→難度が低い)は、各年度において受験者から寄せられた復元解答の得点状況による。
2.「択一式」は70点満点(1科目10点満点)、「選択式」は40点満点(1科目5点満点)。
3.平成22年の択一式試験の難易度は「B」であったが、この年は出題ミスが5問あり、受験者に有利な採点が行われたため、問題レベルと比較して、「合格基準点」が高くなった。

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