労働・社会保険制度間の横断的整理
養子縁組関係の取扱い(労災保険法、国民年金法、厚生年金保険法)
- 横断的理解のコツ
- 「養子縁組関係の解消」のことを「離縁」というが、「死亡者・受給権者」との離縁により、親族関係が終了したときは、遺族(補償)年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金の受給権は消滅し、障害基礎年金、遺族基礎年金の加算額、老齢厚生年金の加給年金額の加算対象から除かれる。
- 「子が配偶者(妻)(子から見た場合、父母)以外の者の養子となったとき」には、「直系血族及び直系姻族(父母を除く。)の養子となったとき」も該当することに注意。
養子縁組関係 |
遺族(補償)年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金 の受給権等 |
子について、死亡した者と事実上養子縁組関係と同様の事情にあるが、届出がなされていない場合 |
① 遺族(補償)年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金の受給権者となることはできない。 |
子が配偶者(遺族基礎年金の場合は「妻」)以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある場合を含む。)となったとき |
② 障害基礎年金の加算額の加算対象から除かれる。
③ 遺族基礎年金の加算額の加算対象から除かれる。
④ ③の結果、子のすべてが遺族基礎年金の加算額の加算対象から除かれたときは、妻の有する遺族基礎年金の受給権は消滅する。
⑤ 老齢厚生年金の加給年金額の加算対象から除かれる。 |
受給権者が、直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある場合を含む。)となったとき |
⑥ 遺族(補償)年金の受給権は消滅する。
⑦ 遺族基礎年金の受給権は消滅する。
⑧ 遺族厚生年金の受給権は消滅する。 |
※遺族(補償)年金 → 労災保険法
遺族基礎年金、障害基礎年金 → 国民年金法
遺族厚生年金 → 厚生年金保険法
国民年金法「障害基礎年金」に関する問題
傷病に係る初診日に18歳の第2号被保険者であった者について、障害認定日以後に20歳に達するときは、20歳に達した日において、1級又は2級の障害の状態にあれば、障害基礎年金が支給される。
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解答:×
設例の場合(初診日が、国民年金の被保険者であった間にある者)は、初診日が20歳に達する前にあった場合でも、法第30条の4の「20歳前の障害に基づく障害基礎年金」ではなく、法第30条の本来の障害基礎年金が支給されるため、障害認定日(設例の場合、20歳に達する前)において障害等級の1級又は2級に該当すれば、障害基礎年金は支給される(法第30条)。